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破壊性甲状腺炎とは?ヨードと呼ばれるコンブ・昆布だし・根昆布・ヒジキ・モズク・ワカメ・海苔(のり)・寒天など海藻類に注意
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破壊性甲状腺炎とは?
破壊性甲状腺炎とは、ある原因で甲状腺ホルモンが一時的に過剰血液中に流れ出てしまい、一過性の甲状腺中毒症がでる症状のこと。数か月で治ることが多く、甲状腺に痛みがある場合とない場合があり、痛みがない場合は原因に気づきにくい。
破壊性甲状腺炎 原因は?
出産や手術などのストレスや一部薬剤がきっかけになることが報告されています。また、意外なものに、食べ物からの発症が挙げられています。
ヨウ素の過剰摂取に注意
ヨウ素とは
ヨウ素(ヨード)のことで、主に昆布・わかめ・のりなどの海藻類に含まれている体になくてはならないミネラルです。
厚生労働省2015年度版「日本人の食事摂取基準」では一日当たりの日本人のヨウ素摂取量は0.13㎎と推奨されています。反対に、耐容上限量は3㎎とされています。
海藻類の中でも、昆布に含まれるヨウ素は他と比べ突出しており、乾燥昆布1g当たり、ヨウ素が約2㎎含まれています。
一般的におしゃぶり昆布(約10g)でヨウ素約20㎎となるそうです。実は日本人は世界一と言われるほどヨウ素を摂取していると言われています。
美容ブームと海藻
最近の美容ブームで、ヨウ素の入った食品は体に良いとされて健康食品の中に大量に入っていたりします。海藻類はヘルシーで便秘にも効くというイメージがありますね。
この様に海藻類にはミネラルが多く含まれており、健康的ということで心掛けて摂取している方も多いかもしれません。
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しかし、バセドウ病や橋本病など甲状腺に疾患のある人は過剰摂取に注意が必要と言われています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料で、過剰に摂取すると甲状腺内のヨード有機化が抑制され、甲状腺機能低下症を引き起こすことがあると報告されています。
ヨード過剰摂取で甲状腺ホルモン合成が低下することをラット実験で確認され、発見者の名前からウォルフ-チャイコフ効果(Wolff-Chaikoff effect)と呼ばれています。
しかしこの症状が長く続くことはなく、エスケープと呼ばれる適応現象のため甲状腺機能低下症と呼ばれる甲状腺からのホルモンの分泌が悪くなった状態にはなりません。そして、過剰摂取を認めれば元の甲状腺機能へ回復します。
しかし、一方で、過剰のヨード摂取により無痛性甲状腺炎を誘発することもあるので注意が必要なのだそうです。
無痛性甲状腺炎とは
無痛性甲状腺炎(むつうせいこうじょうせんえん:painless thyroiditis)は甲状腺の一過性の炎症で、亜急性甲状腺炎のような疼痛を欠くものを指す。
無痛性甲状腺炎 – Wikipedia
ある女性の症例
喫茶店で急に手の震えと動悸に襲われた女性は死の直前のような感覚に襲われました。
数日前から、だるさや熱っぽさ、息切れ、疲れやすいなどの症状を感じていました。そして、動悸や手の震えの症状が出るようになり内科を訪れると、甲状腺ホルモンの数値が高いということで専門病院を紹介されました。
その時に疑われたのがバセドウ病です。
バセドウ病とは
人間の成長や新陳代謝など重要な働きに関わる甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが過剰に生成されてしまうのがバセドウ病です。症状は血中の甲状腺ホルモンの量が過剰になることで臓器は異常に活発になり、動機・発汗・手足の震えなどが引き起こされます。
後日、専門の病院でより詳しく調べてもらうと『バセドウ病』ではなく、『破壊性甲状腺炎』という病気であったことが判明しました。
原因は日本人なら毎日のように口にする昆布が原因でした。彼女の場合、症状が出る一か月ほど前から「おしゃぶり昆布」にハマっていたそうです。
彼女の場合、身体によいとして四六時中食べていて、耐容上限量の約15倍のヨウ素を一か月以上摂取していたと推測され、この様な結果に至ったと考えられます。
海藻類を普段より多く摂取し、似た症状を発症した場合は専門医で診察を受けるようにした方がよいでしょう。